日本の廃道
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寄稿ノススメ Web版
第二回 寄稿の形式


ちょっと、いやかなり間が開いてしまいましたが、今回は「どうやって寄稿するか?」を紹介します。

具体的にはどうすればいい?

 断言します。何でもアリです(爆。.txtなテキストと写真を送ってもらっても、HTMLで概形を書いてもらっても、ワード形式で書いても。いきなりpdfでももちろんOKです。

 送るのも、編集部の誰かにメールしたり、編集部あての投書フォームを使ってもかまいません。写真点数が多いかったりサイズが大きかったりする場合は、専用のアップローダも用意しています。そういうのを駆使して、とにかく編集部に送りつけてみてください。するとpdfになって帰ってきます。あらゆるファイル形式を解析してpdfに変換する、人力pdfコンバーターです(笑。

 というのはまあ冗談として、原稿の書き方や送付方法には「これでなければならない」というものはありません。第一章で書いたように、寄稿はあなたの思いを表現するもの。最もやりやすい方法を取って、良い原稿を貰えたら、編集部にとってこれほど嬉しく、またやりがいのある仕事はありません。

 本来の雑誌の編集などでは、最初にデザインが決まって、それに合わせて文字数を割り出すことがほとんどです。それに合わせて原稿を作成します。しかしORJでは「先ず寄稿ありき」。みなさんの書いてみたい、伝えたいことを形にすることが最優先と考えていますので、それに合わせて編集部が編集したりデザインを組んだりします。どんなデザインにしたいか、どんな構成にしたいかなど、細かな指示をもらえればもらえるほど有り難い(そのほうが作者の意図通りに仕上げられる)のですが、そこを含めて全く編集部にお任せいただくのも可能です。

 結局の所言えるのは「試しに送ってみてよ?」っていうことかな。面白いpdfになって返ってくるから。

寄稿のながれ

 先に寄稿のながれ(スケジュール)について書いておきましょう。だいたいどんなイレギュラーな状況にも対応しますが(だってレギュラーな状況というものがないんだもん)、原稿を書こうと思った時点で一度編集部にご連絡ください。その時点の作業状況・進行状況に応じて「いつまでに原稿をもらえればどの号に載せられるか」をご連絡します。それを目安に書き始めてもいいですし、期限まで手元に置いて推敲を続けられてもよいでしょう。

 いただいた原稿は、編集部内でのチェックを経て、だいたい1週間以内にpdfにしてお返しします。これは全体の構成(レイアウトやデザイン等)を見ていただくもので、完成版ではありません。「ここはこうしたい」というのがあればどんどん仰って下さい。それをもとにまた修正し、pdfをお送りし・・・というのを2、3回繰り返すことになります。

 場合によっては原稿をいただいた段階で「ここの記述とこことが矛盾する!」とか「ここの情報はもっと掘り下げられない?」みたいなツッコミをするかも知れません。あるいは写真が不足しているとか、編集部の判断で追加情報を入れたいがOK? みたいな問い合わせもあるかも知れません。

 原稿の締め切りはあってなきがごとしですが、発行日の一週間前までに原稿をいただければ、その号に間に合わせられると思います。その前に「こういうのを寄稿したい」というご連絡だけお願いします。

寄稿の実例

テキスト形式(.txt)の場合

 案外かと思われそうですが、nagajisはいつもこれに近い方法で原稿を書いています。テキストエディタを使ってガーッと原稿を書いてしまって、あとで使う写真を選んでます(構成やレイアウトはある程度頭に入れておくが、逐一確認しない)。そのほうが原稿に集中できるので好きです。
 でも、それを誰かに送るとなると、ちょっと戸惑うかも知れません。写真はどこに入れるの? ここに地図を入れたいんだけどどうしたらええのん? みたいな。自分はレイアウトしながら写真を選んで、好きなように配置したり処理したりできますが、寄稿原稿の場合はそうもいきませんよね。

 そういう時は、テキストに細かく指示を書いて下さい。例えば「a.jpg」「b.jpg」「c.jpg」のような写真を使うつもりなら、その写真を入れる場所を書き込んで。扱いを大きくして迫力を出したいとか、人物だけ切り抜いて使用したいとかであれば「大きく!」とか「切り抜きで」みたいなコメントを入れて。そんな感じの指示を入れてもらえば、それを見ながらページを作成していきます。

 下記に簡単なテキスト原稿の例をあげてみます。

##タイトル 東スポ風に
箕面の山中に廃道猿を見た!             か?

##リード
某月某日、私が箕面の山中で遭遇した出来事を紹介したい。
それは府道○○線の旧線を探索していた時のことだった………

##ここで改ページ

##本文
 その光景を見た瞬間、私の背筋は凍り付いた。絶滅したと
思われていた廃道猿が、あるまじきことかこの廃道の上で、
群れをなして踊っていたのだ。………

##写真:a.jpg 左上の猿の群れが目立つように
##写真キャプション
物陰から撮影した一枚。手ブレ御免

##写真:b.jpg a.jpgにかけるように
##写真キャプション
かろうじて捉えた猿の尻

##本文
 …

##ここで改ページ
 :

例文は気にしないでください

 ともかく、テキストで作成した原稿と写真とを用意して、お送りください。

テキスト形式で書く時のポイント

 原稿からイメージを膨らませてデザインしていくと、どうしても作者の意図通りにならないことがあったり、編集部の趣味が多分に入った誌面になったりするかもです。それだけはごめんなさいしておきます。また、1ページの文字数の制限や写真との兼ね合いでデザインが変わることもあります。これはいつも悩むのですよ、nagajisも。

 いちばんいいのはそういうことを考慮せず、好きなように書いてもらうことかな。ちょっと矛盾しているけれど。

HTML形式の場合:(国道213号旧道史(byしろ@廃線隧道))


大分県の国東半島を周回する国道213号。決して幹線とは言い難い場所なのに、沿線の隧道はほぼ全て、明治時代に作られたものが基礎になっている。そんな国道213号の隧道史をまとめたしろさんの作品

 今までの寄稿ではHTML形式が一番多かったように思います。サイトをお持ちの方なら、寄稿用にページを一つ作っていただくような感じになりますね。編集部がそこへアクセスし、テキストと画像をGETします。画像と文章の対応がわかりやすく、また原稿を書く側も構成をイメージしやすいのではないでしょうか。

 このとき、誌面を意識したレイアウトをしていただく必要はありません。あくまでも原稿と写真の受け渡しという感じで結構です(もちろんごっつう作り込んでいただいてもいいのですが、そのままを公開していただく訳にはいかないので・・・このページの末尾をご覧ください)。

 HTML形式の寄稿で、個人的に最も印象深かったのがしろさんの「国道213号旧道史」(第9号掲載)でした。ちょっとHTML形式の話とは外れますが、原稿を再構成した例として紹介します。

 しろさんは冒頭と個々の隧道の詳細を書いたHTMLページを(自身のサイトに)用意してくださいました。それを編集部がダウンロードしてみたわけですが、拝見してまず、一つの路線にこれだけの量の隧道があることにびっくり。で、それらの竣工年が微妙に異なることに「なるほど」。豊後高田から竹田津までと、竹田津から東と段階的に改修したようなんですね。そのへんの「コイツはすげえや!」というところを強調すべく、元の原稿にはなかった

  • 一枚の地図に全隧道をのっけた目次ページ
  • 竣工年度と利用時期、廃止時期がわかるグラフ

 の二つをつけ加えることを提案しました。また、隧道の紹介は地図の上に散らばらせて、道を追いながら隧道を知ることができるレイアウトにさせてもらいました。グラフはちょっと余計だったかもですが、地図目次はなかなか壮観なものになったのでした。国道213号の特異さが伝わったかなあと思います。

 という感じで、HTML形式であっても全くそのままが誌面になるということはありません。編集部のほうでも「こうしたら」「ああしたら」というご提案をして、違う何かにしてみせまする。編集部の役目の一つです。

HTML形式で書く時のポイント

 HTML形式で原稿を書く時は、ページに表示させる画像とは別に、大きめのサイズの画像を用意していただく必要があります。というのも、pdfでは画像を拡大して見られるよう大きめのサイズの画像を貼り込む必要があるからです。少なくとも、HTMLで見やすいサイズの3倍くらいの大きさの画像が必要です。
 HTMLとは別にお送りいただいてもいいですが、大きめの画像をwidth、height指定で縮小表示させるのが最も簡単かも知れません。画像に大サイズ画像へのリンクを張るという手もあります(上記のしろさんの場合がそうでした)。どこかのサイトに上げていただけば、編集部がアクセスしてGETします。

Wordドキュメント(.doc)形式の場合:(関西本線の煉瓦橋梁群(by張子の虎))


明治半ばに完成した関西鉄道の路線を引き継ぐ関西本線。その道筋に今も残る煉瓦橋梁を尋ねた張子の虎さんの作品

 張子の虎さんのこの企画(第16号)は、原稿をWord形式でいただきました。レイアウトや構成などはほぼ100%流用でございます。nagajisがやったのは別フォーマットで作り直したのと左上に記事タイトルを入れただけ。それだけ作り込まれた.docドキュメントでしたよ。

 Word形式であれば、画像を配置したり、縦書きで文章を書いたりもできます。誌面のイメージを意識しながら書けるのは利点といっていいでしょう。そのかわり、Wordならではの融通の利かなさがあります。nagajisなどはWordで書けと言われただけで胃が痛くなりそうですorz

Word形式で書く時のポイント

 ちょっと大変そうだと思ったのは、Wordで作り込むとファイルがとても大きくなること。当初は1ファイルが50MBくらいになってしまったとのことで、さすがにこれではメールでお送りいただくのもままならず、2つに分割したうえでファイルのアップローダーを利用してお送りいただきました。ファイルサイズが肥大化するのはWordがヘタレなせいなので、これは工夫次第で何とかなるでしょう(Word2003くらいから保存オプションで「画像の圧縮」ができるようになった。これをすると1つ7MBくらいにはなる)。

 原稿のテキスト部分を.docで書き、写真は別に用意するというのも手軽で良いようです。編集部でもヨッキれん氏などはこの形式を採っています。.doc形式であれば校正個所に色をつけたりすることができる(ヨッキ氏は2度3度と原稿チェックをしてくれるのです)ので、そういう利点もあります。

 「隧道レッドデータブック」「旧橋紀行」などある程度フォーマットが決まっているものについては、編集部のほうでWord形式の「テンプレート」を用意しました。原稿テンプレをご覧ください(企画意図なんかもまとめてます)。このテンプレに直接書き込み、画像を配置して、送ってください。レイアウトまでいじっていただいてもOKですが、100%反映できるかわからないのと、いずれにしても別のソフトでレイアウトを作り直さなければなりませんので、それだけご注意ください。一生懸命いじっても、せっかくの苦労が無駄になってしまいますからね。

その他の形式の場合

パワーポイント形式(隧道レッドデータブック(by謎の元自衛官@デミオが行く))


完成まもなく震災に遭って廃止された岩富トンネルの探索記。第3号で寄稿いただいたものの続編という形で、どちらもpdf形式でした

 謎の元自衛官さんからは、千葉県の岩富トンネルについて2度にわたるレポートをもらいました。入稿形式は何とパワーポイント(.ppt)! これは目からウロコであります。

 確かに、自由な配置ができるパワポだったら作る時にイメージしやすいですね。デザインする側も配置に悩まずに済みます:-)。惜しむらくは、せっかく作っていただいたパワポデータをそのまま流用することができない(画像やテキストを抽出して別ソフトに流し込まないといけない)ことでしょうか・・・これは宿命みたいなものとしても、WordとかPowerointとか作り込むの、大変ですよね。

 あと、編集部には古いMacのパワポしかありません。一行の文字数や行数などが意図した通りに再現できない可能性もありますのでご了承ください。

pdf形式(明治隧道project@岡山県、広島県(bytaihei @ tunnel web))


明治時代に作られた300有余の隧道の今を探る企画。tunnel webのtaiheiさんによる山陰・山陽編の第一弾はpdf形式で入稿いただきました

 誌面がpdfですので、直接pdfで投稿いただいてもokです。その場合は「文字埋め込み」「解像度300dpi」で作られることをオススメします。taiheiさんの明治隧道project@岡山県、広島県(17号)はそんなpdf形式でいただきました。各隧道の解説ページはそのまま使い、こちらで作った地図を背景に敷いたり、トップページを作成したりしました。リンクを貼ったりする作業もこちらで行ないますよ。

 pdfは意外と融通の利かないフォーマットではあります。pdfの文字を修正したり、画像の位置を動かしたりするのは簡単にできますが、例えば行がずれるような修正は苦手です。ですので元データ(例えば.docドキュメントや、場合によってはIllustlator形式のファイルなど)を頂かなくてはならなくなるかも知れません。

補足情報

地図の扱い

 ウオッちずの地図画像って、ほんとは加工・引用することができないんですね。でも、寄稿するときに地図画像が必要な場合は入れちゃってください。それを元に編集部で新たに書き起こします。地形図以外の地図も同様です。編集部に送る時点では不特定多数に配布することには当たらず、違法ではない(はず)ですのでご安心を。

 もちろん、地図(画像)を加工するソフトをお持ちでない場合も「地図ほしいなー」という場合はその旨お教えください。言われなくても勝手に地図入れたりするかも知れません。

画像の大きさ

 冒頭にも書きましたが、pdfに貼り込む画像は拡大にも耐えられるよう大きなサイズ(ピクセル数・画素数)の画像を必要とします。目安としては100%で表示させた大きさ=pdfで問題なく見える大きさ(それ以上拡大するとジャギーが出る)なので、その程度の画像をお送りいただけると幸いです。もちろん部分的に拡大して見せたい場合などはそれ以上の大きさが必要になります。

編集部の対応フォーマット

 Windows機(Windos2000)とMacintosh(MacOS 9)があり、MacではQuark3.3、Illustlator8.0が使えます。WordやPowerPointも何とか対応できますがバージョンによっては開けないこともあります(たぶん2000相当以下のフォーマットでないと無理。またMacなので互換性は保証されませぬ)ので、たぶんOpenOffice.orgで作っていただいたほうが(編集部が)幸せになれるかも知れません。OOoなら直接pdf化もできますから、もし作り込むのであればOOoをお使いになることをおすすめします。

 フォント関係はあまり期待しないでください。モリサワは新ゴファミリーしかありません。カッチョ悪いフォントならたくさんありますけど。あ、あとMSゴシックやMS明朝は自動的に別フォントに置き換えられますのでご了承ください。

有料化後の寄稿の扱い

 ワタクシ個人的には「原稿を書くやつが偉い」と信じて疑いません。原稿は原稿の書き手に帰属するものであって、権利がどうこうと言うのはなあ、と思わないでもないのです。

 しかし、有料化となると、そう理想論を振り回しているばかりではいられないのも事実。お金を出して買ったものと同じものが自由に手に入る状況があれば、誰でもそちらを選ぶでしょう。また、ORJを単なる売名の場にしようという輩も出てこないとは限りません。

 ということで、不本意ながら「原稿はORJに寄贈いただいたもの」として、原稿をそのまま流用して自他サイトにアップしたり、pdfを2次配布したりすることはご遠慮ください。もちろんこれは、寄稿ネタそのものの利用を禁止するということではありません。寄稿いただいた内容を書き直して(再構成して)利用されることは自由です。妨げる理由がありません。
 原稿とともにお寄せいただいた写真は、ご自由にお使いください。そのかわり、寄稿企画とともに販売させていただくことをご了承くださいまし。

 じゃあ寄稿者にとっての利点は? 今の所、掲載号を無料でお送りすることしかできません。ゆくゆくは何かの特典がつけられたらとは思いますが、まだ先の話になりそうです。あなたの原稿がpdfという「カタチ」になることをもって、なにとぞ、ご了承いただきたく。

(2007.10.27.)


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